はじまり

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一度会ったことがある? えみちゃん? 会ったことないし えみちゃんなんて男から言われたこともない 森宮健… お前は 誰だ? 「俺は、この1年3組の担任の小瀧雄大だ。教科は数学だ。質問はあるか?」 担任タイミングよすぎ… 「雄大先生は彼女がいるんですかぁ?」 「年齢はいくつですかぁ?」 「年下はありですかぁ?」 うわぁ アホらしい 小説みたいに付き合えるとこの子たちは思ってるわけ? 禁断の恋目指し中? 「年は28歳、彼女なしの年下はありだ…」 前言撤回 女子たち… 小瀧ならいける そうこう話してるうちに 入学式の時間になり 入学式は終わった 早すぎ? 小説だもの 「んじゃあ、まずは自己紹介から!自分の名前、出身校、最後に一言。順番にどうぞ」 だるい… だるすぎる… 次々順番は回ってくる うわっ 私の番か… 「岡田えみ、出身校は北東中学、1年間よろしくお願いします」 北東中? めっちゃ遠いじゃん! なんか感じ悪そー 暗いよねー 「暗いし、感じ悪くて悪かったわね」 にこりと笑いながら私は言い返してやった 昔からはっきり言わないとスッキリしないタイプでそのため友達も少ない 「…」 スッキリした その代わりまた変われなかったけどね… みんなえみのことを呆然と見ているのに一人だけ楽しそうに笑っていた 「…クスッ」
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