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開け放たれた窓
ここからなら飛び降りても平気だと、猫は内心にやりとし、表情は変えずに先の曲がった尾をゆらりと揺らした。
窓のすぐ下には主が拾ってきた花達が太陽にむかってのびている。
光に照らされた花は風にゆられ、笑い声のようにさわさわとなった。
その少し先、窓から1メートルほど前には灰色のブロック塀がある。
主が拾ってきた猫は、どうやらそこに飛び降りたかったらしい。
らしいというのは、実際その猫が飛び降りた先はブロック塀よりまた少し先の
灰色の道路だったからだ。
どん、と鈍い音がする
つづいてタイヤが悲鳴をあげた。
花達はざわざわと、野次馬のように騒ぐ。
猫は声もあげず
その小さなからだはぴくりともしなかった。
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