3人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ...今日の仕事終わりっ!...帰るか」
深夜、薄暗いオフィスで伸びをしながら席を立つ。その場には俺一人。いうまでもなく残業だ。
雰囲気的に幽霊でも出そうだが、生憎俺は幽霊その他現実離れした存在は信じていない。
篠崎一郎。とある中小企業の一般社員。32歳、独身、趣味は釣り。自己紹介をしろと言われたら俺はこう答えるだろう。どこにでもいるいようなサラリーマンである
オフィスの電気が完全にきれていることを確認して帰路につく。幸い自宅(マンション)までは自転車で5分足らず。おかげで毎日通勤は苦ではない
「うぅぅ.....寒ぃ。まったく、毎年この季節は嫌なんだよなぁ...ただ、夏は夏で暑いし、俺には四季を楽しむ余裕はまだ無いんかねぇ...うっわ、発言が完全におっさんだわ」
そんな独り言を呟きながら自転車を漕ぐ。しかしこの後あんなことが起こるなんてこの時の俺は思いもしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!