3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん?あぁ、もうついたのか。いきなり落ちるとかそういったことは無いんだな」
扉をくぐると、一瞬視界が真っ暗になり、気づけば俺は森の開けた場所に一人突っ立っている形になっていた
「森...だな。まぁ街中にいきなりおっさんが現れたらそりゃ不信がられるだろうし、仕方ないのか?...っと、なんだこれ?」
一人でそんなことを呟いていると、ふと足元の物に気付き、それを拾い上げて観察する
「マント?....と日本刀?....おいおいなんだこりゃ」
転がっていたのは所々ほつれが目立つ黒いボロマントと、それとは真逆に誰が見ても手入れしっかりとされている日本刀だった。模造刀などは持ったことはある為分かる、おそらくこれは本物だ
実際に抜いて指とかを切ってみろ?痛いからやらんよ
にしてもこのマントが分からない。試しに羽織ってみるかと思い、畳んであったものを伸ばすと、ハラリと一枚の紙が落ちた。拾い上げて読むと、そこにはこう書かれていた
『きみがこれを読んでいるということは無事に転移できたようだね。そのマントと日本刀は儂からの贈り物だ。使い道をよく考えて使うといい。犯罪に走ろうと正義に走ろうと君の人生だ、自由にしなさい。
日本刀はそちらの世界の最も貴重な金属で打ったものだ。よほどの事がない限り折れないし、切れないものは魔法くらいだろう
マントは、儂の特別性だ。そのマントを着ている時、息を止めるとその間だけ物理法則その他を無視して姿を消す事ができる。つまり、息を止めている間、君と君が触れている物、人などは意識する事により如何なる干渉も受けない。つまり無敵といえば簡単か
伝えることは以上。では、今度こそお別れだ。君に幸あらんことを』
最初のコメントを投稿しよう!