第1話

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文化祭の用意。 学生生活の醍醐味である夏休みを減らしてまで思い出とやらを作りたいらしい嘉島学級委員長の提案で、 私は8月26日、 今日みたいな日に登校しなければならなくなった。 「金沢さん、美術部だよね? ちょっとこれなんだけど…」 そこまで仲良くない委員長が話しかける。 それが確かお昼頃。 「金沢さんにね、オブジェを作って欲しいんだけどいいかな…?」 今年の学園祭のスローガンのかかれた紙をちらちらさせて、やたら眼鏡の赤い委員長は笑顔だった。 勿論、そんな面倒なことは、 「ああ~、任せて。 あんまりかっこよくないかもしれないけど、 許してね!!」 大好きなので、私は彼女の提案をすぐさま返した。
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