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そんな訳でハサミできったり、釘を打ったり、くっつけたりして出来たのが
今真夜中の月に照らされ、
教室の真ん中に置かれているそれである。
私が異変に気が付いたのは、残念なことに完成した後だった。
「……いやさ、
我ながら作品としては素晴らしいと思うけどさ、
これはいけないよねえ。」
びちゃびちゃになった床に裸で寝転び、
それを乾いた絵の具でカピカピになった指でなぞる。
目の前には委員長のぷにぷにしてきていたお腹。
手足がなくて代わりに
剣道で日本一になった手塚くんの腕や、
学年1美人の体操部、小沼さんの足が刺さっていた。
球。
クラスのみんなで構成された球がそこにはあった。
お腹、背中、顔。
表面が全て人の体の一部だった。
隙間には艶々にした紙粘土。
人と人をくっつけるために、
口とかに腕が刺さっていた。
そんな作品。
だから制作者の私は、
絵の具と肉と紙粘土とよだれと水と汗にまみれて気持ちが悪かったのだ。
裸になるのも仕方がない。
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