Interval

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「だから、彼らはこう考えた。  欠損を自分達の力で埋めてしまえばいいと」  『百合』の死体からDNAを抽出し、クローン技術で何人もの『百合』を生み出した。  死を経た特異な記憶を継がせるべく、研究を重ねた。  誰にも何にも負けない最高の駒。  ただその一体を作り出すためだけに。 「あの場所には『道徳』も『倫理』も存在していない。  『百合』達は様々な能力をつぎ込まれ、脳を改造され、どんどん人間らしさを失っていった。  ただ1つ、八代が最強であり続けるための最強駒を作り出すという目的のためだけに」 「……なんて、ことを………」  稔は呆然としたまま、目の前に座す少女を見つめることしかできなかった。
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