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「……予感ってやつか」
いつも携帯するよう命じられているインカムは、スイッチが入ったまま蓮の耳元に転がっていた。
山の中にある小さな平野に建てられたこの屋敷では、一般的な通信端末の電波が届かない場所が多い。
主な連絡手段は特殊回線を用いるこのインカムを使うか、きちんとコードのついた電話を使うかのどちらかだった。
『小さな平野』、といっても個人の宅地としては広すぎるほどなのだが。
「なんと言っても、日本有数の財閥の総帥だからな。
ここの屋敷の主は」
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