第１章(SW2.0)

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大陸北部に位置するザルツ地方で最も古くから栄えた国

フェンデル王国

周辺諸国よりも長い歴史を持つこの国は、三千年の昔に滅亡した魔法文明デュランディルと、三百年前まで続いた魔動機文明アル・メナスの薫りを残し、優美で粛然とした国風を称えられて¨花の国¨の異名を持つ

そのフェンデル王国で事件が起こったのは、今からちょうど十年前。
辺境の街ケラススが業火に包まれ、一夜にして廃墟と化してしまう

元々ケラススには高名な魔動機師『ワグナー=ヴァイオレット』が暮らしており、魔動機文明、特にルーンフォークに関する研究を進めていたとされている。

彼には何か、とてつもない発見をしたという噂がある。
それゆえ、何者かによって街ごと消されたのではないかと噂されていた

しかし、その真相は闇の中。ワグナーも、彼の研究成果も何もかも、灰となって消えてしまった

だが、たった一人、ケラススの街には生き残りがいたことは、誰も知らない…