第一話 妹の異変

19/48
前へ
/215ページ
次へ
  *** 今日は金曜日。 明日は土曜日。 hitokaも、俺と同じく学生のようで、今夜は割と遅くまでINできるらしい。 そうと分かれば、急ぐこともない。 「のんびりまったり気長にプレイ」が俺の信条なので、時間を気にする人とは上手くやれそうにない。 幸い、hitokaはタイピングも少し遅いくらいだし、急ぐのが嫌いな俺にはちょうど良いテンポで会話も進められた。 hitokaにパーティ申請を送り、それが受諾されると、画面左上に「hitoka」の名前とステータスバーが表示される。 これで、俺達は〈内緒チャット〉ではなく〈パーティチャット〉で会話をすることが可能となる。 二人しかいないのではあまり意味はないが、せっかくなのでhitokaにもパーティチャットで話すように伝えておいた。 初心者によくある、内緒チャットが分からず一般チャットで周りの人に会話をだだ漏れにしてしまうというミスをしていなかった辺り、hitokaはプレイヤーガイドをそれなりに読んできているようだから、いらない世話だったかもしれないが。 一通りの予習をしてきているのなら、俺の指導もかなり楽に済む。 レベル13プレイヤーの適正フィールド、〈グリドの丘〉へ到着すると、俺は早速レクチャーを開始すべくチャット欄にささっと打ち込む。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6951人が本棚に入れています
本棚に追加