第一話 妹の異変

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  『まずクエストを進めるにあたって、確認しときたいことがあるんだけど』 『?』 何でしょうか?を必要最低限に略したのだと判断し、確認したいことを打ち込む。 『なるべく自分の力で進めてくのと、俺も協力してガンガンレベル上げていくの、どっちがいい?』 お手伝いするといっても、あまりにも簡単に進み過ぎてはゲームをやっていても楽しくないと思う人もいる。 だが、実際このゲームはレベルが上がればあがるほど面白くなり、むしろ上限に達してからが一番面白いといえる。 なので、ある程度までは人の力を借りてでもガンガン上げてしまうのが効率の良い楽しみ方だと、俺は思う。 幸い、hitokaも自力によるこだわりとかは特になかったらしく、 『ガンガンで』 と即座に返事がきたのを確認し、俺は安堵の息をついた。 hitokaが一人で時間をかけてモンスターを倒すのを横で見ているだけというのも、俺としてはあまり面白くはないからな。 『おk、じゃあクエストを進めて行こう』 『はい』 『その前に、何か質問とかある?思い付いたら逐一言ってもらって構わないけど』 分からないことをそのままにしておいてはいけないのは、勉強もゲームも同じこと。 せっかく俺がいるんだから、なるべく遠慮しないで使って欲しい。 早く、このプレイヤーと肩を並べてゲーム攻略を楽しめるようになるためにも。
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