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『じゃあ、質問』
『はい、hitokaさん』
『クエストってなに?』
俺はタイピングのためにキーボードの上で待機させていた両手を、思わず頭を抱えるのに使った。
いやいや、時間はいくらでもあるんだ。
全部説明していけばいいさ。
『───えー、以上でだいたい、基本的なことは教えられたかと思います。戦闘を除き、だけど』
俺が今まで培ってきた「IAO」の知識と、タイピングスピードをフルに発揮し、なるべく分かりやすく、この世界について説明をした。
その時間、なんと驚くことに30分強。
流石に指が痛い。
両手の指を組んで逸らすようにストレッチすると、ポキポキと小気味良い音が連続して聞こえた。
『長くなってごめん。わかった?』
それまでずっと、俺に気を遣ってか『うん』や『おー』や『なるほど』など相槌を打ってくれていたhitokaも、本当にマナーを知らなかっただけでなかなかに良い子のようだ。
時折質問(初歩の初歩ばかりだが)をしてくるが、それもこのゲームを真剣にやりたいという意思の表れであるので、俺もつい嬉しくなってサービスし過ぎてしまった。
こんなオンゲ初心者の子が、俺達の世界に興味を持ってくれているんだ。
嬉しくならないはずがない。
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