第一話 妹の異変

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なんてこった。やはり何かの間違いとかじゃない。 確かに、妹は今俺を人間として扱っている。 それどころか家族として扱っている。 どうしたことだ。 一体いつの間に、俺は妹の好感度パラメータを上昇させていたというのだ。 昨日リビングで最後に会った時までは、確かに妹の俺への好感度は0かそれ以下だったというのに。 「ちょ、何?何ジロジロ見てんの?キモ……ハズイから、あんま見ないで」 恥ずかしそうに目を逸らし、下ろしている髪をいじる一歌。 誰だこれは。 照れた様子で頬を赤らめるこのいじらしい可愛さの生き物は、一体なんだ。 これが、“妹”の真の姿だとでもいうのか。 いつもなら「キモイんだけど。消滅して」と言って切り捨てられるところを、わざわざ「ハズイ」(恥ずかしいの略語)に言い直すとは、どういうつもりだ。 俺に何か弱みでも握られてんのか? 「あ、いや、なんか眠そうだなって思って。夜更かししてネットでもしてたのか?」 俺が知る、最近の妹の数少ない情報。 最近頻繁にインターネットを利用しているらしいということ。 たまたま先週の金曜日に使おうとしていただけで、別にいつもネットをしていると決まったわけではないが。 おとんが言っていたように最近部屋に入りがちなら、想像できるのはそんなところだ。
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