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東京の最西にある叶夢館。その主である彼女は微笑みながら階段を下りてくる。それを青年─阿戸海(アト ウミ)─は見とれる事しか出来なかった。
彼女は阿戸の前まで来るとドレスを着てるかのように少し裾を持ち上げる動作をする。
もちろん彼女が着ているのはドレスではない。
彼女は頭を下げた。
「いらっしゃいませ叶夢館(キョウムカン)へ。私はこの館の主の卯鳥佳苗(ウトリ カナエ)です。私のことは佳苗と御呼びください」
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