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「怪人黒マントや、由ちゃんはな、今朝方お前を担ぎながらホテルに来てよ、何つったと思う?"この人が近くで倒れてた!血が出てて誰かに追われてンだ!助けてやってくれ!"…ってよ、いやー驚いたよ。人の土手っ腹の骨にヒビ入れやがった奴を、まさか治療させるとかよ?」
ハンガーに掛けたコートのポケットから取り出すタバコを吸い出す空に、由は胡座を組んで座り直す。
「なぁ、腹減ってねぇか?」
「……」
焼きたてのパンを取り出す由は、怪人黒マントに「何か食え」と言った。
「あ!それ俺の朝のパン!」
「パン1個で文句言うなよ。オラ、口開けろ」
「…断る」
そう言ってフイッと首を横に振る怪人黒マントに、由は立ち上がって「判った」と答える。
「ゆ、由ちゃんや?」
「…人の好意に、素直に甘えろって教わってねぇのか?」
「余計なお世話だ。子供のクセに生意気だぞ?」
「何だとテ…」
その瞬間、空とレンと双牙子は、それぞれの武器を持って怪人黒マントに突き付ける。
「おーコラ。俺の助手にそういう暴言吐くなよ?」
「由ちゃんが恩人で良かったわね?私だったらトドメ刺してたわ」
「兄様の助手への暴言は、天命から見捨てられるという事を教えましょうか?」
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