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都市部から数十キロ東を走る事2時間。
其処には、倒壊した建物が一軒あり、人気などまるで無い所に到着する。
「到着したな。さて、怪人黒マントさんや。そろそろ本名を聞かせてもらおうか?」
「……」
「アニキ、判る様に説明してくれよ?またウチだけ除け者か?」
タナカから全員降りて、未だに拘束中の怪人黒マントに問う空に、由は彼に問い掛けた。
「いやさ、コイツが狙ったマフィア達を調べたんだよ。マフィアを狙ったわりにゃ、殺り口がエグいしグロい。よっぽどの恨みでもなきゃ、あーもならんからな。んで、双牙子さんに少し調べてもらったの」
「まず彼女の名前は、シェルバート=ヘレン。橘信三郎っていう大手武器開発企業の社長に仕えるメイド。2年前に社長考案の新型兵器を開発したのだけれど、家が謎の放火で社長とメイドが死亡。一人娘が居たけれど、現在も行方不明…因みに、その兵器が何なのかは不明…ってワケよ」
そう双牙子が言うと、空は懐からタバコを取り出して口に咥えた。
「まぁ、ここまで調べりゃ大体の予想は出来る。お前、その死んだメイドなんじゃね?」
「え!?で、でもよアニキ…死んでるならコイツは…」
「焼け跡からは、身元不明の女の両腕が現場にあったそうだ。当時の軍警察の記録だと、多分メイドのだろうっつー結果で終わったがな」
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