第3話

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コツコツとハイヒールの足音を鳴らしながら現れた爪牙子に、由は堪らず空の背後に身を隠した。 「あらヤダ。嫌われ者扱い?」 「お前が俺の名前に反応したのが悪い。そして、テメェを奴隷にした覚えもねぇ」 一瞬のうちに手錠を外した空は、そのまま由の手錠も外すと、格子越しに「で、状況説明しろ」と爪牙子に問い掛ける。 「ハーイ。実はね、遂に出たのよ。例のニセ札の原版が」 「…何ですと?」 「原版?」 聞き慣れないフレーズに困惑する由に「紙幣を印刷するのに使うハンコみたいなもんだ」と空が説明する。 .
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