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何の話しをしてるのか判らない由は、空にそれが何かを問い掛けた。
「今から4.5年くらい前に、スゲェ精巧な偽札が首都圏で出回ったんだよ。見た目はホンモノと区別がつかない代物だったんだ。あまりに出来が良過ぎて、その偽札で極東政府は都心部での紙幣での買い物は禁止にまで至らせる程にな?」
「そ!で、その超凄い偽札の原版を、私を雇ってる手広く商売をするカルテルが、その筋の技術屋に5年前に作らせたのよ。ところがねぇ…」
苦笑いする爪牙子に、空は「もしかして、パターンB?」と言うと、爪牙子は「プラスA'なの…」と答えた。
「よし、出るぞ由ちゃんや。此処に居ても銭にならん」
「待って待って待って!久々の再会だってのに、もう帰るなんてヒドいでしょ?」
ワザと胸の谷間を見せる爪牙子に、冷めた目で「3000万プラス諸経費」と言って由を指差す空。
「演技とはいえ、コイツをビビらせたうえに、プランが違い過ぎる」
「プランって…あんなガチで殺し合いしてたのに?」
由がそう空に尋ねると、煙草を咥えてポケットからライターを取り出す。
「そのくらいしねーと、欺けないだろ?でなきゃ商売になんねぇよ。まぁ、アレくらいでコイツが死ぬ奴じゃねぇし。さて、先ずは此処から派手に出ますかね?」
「せ、せめて2000万は?」
「話題にならんな」
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