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首尾良く原版を盗んだとされる人物と同じ牢屋に入った空と由は、拷問で体中がボロボロの30代の男性を見つけた。
「爪牙子が言ってたのは、アンタか?」
「だ…誰だ?」
今にも死んでしまいそうな掠れた声に、由は「ここまで殴らなくたって…」と言いつつ、彼を起き上がらせた。
「心配スンナ。俺は通りすがりの工作員Mだ。事情は全部知ってんぞ?」
「…来年の桜は綺麗なのか?」
「あぁ。満開桜が咲くだろう」
男の不思議な質問に、空がこう答えると、男は安心した表情で「協力感謝する…」と言って空と握手する。
「アニキ、そろそろタネ明かししてくんねぇか?ウチだけ何もわかんねぇし」
「そうだな。まず、このオッサンは連邦警察のスパイだ」
「スパイ!?」
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