第3話

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驚く由に、空は再び手錠の拘束を外し、連邦捜査官の手錠と、由の手錠を外す。 「…俺は、カルテルの麻薬製造と、偽札製造を潰す為に、此処に潜入したんだ。麻薬製造の工場は、此処の地下で栽培されていて、俺は偽札製造に携わっていた被疑者と入れ替わって内偵を進めていたんだが…」 「軍警察に捕まったんだろ?仲悪いからねぇ。連邦と軍は」 連邦警察。 この組織は、月コロニー内での犯罪を取り締まる組織で、基は軍警察から独立した組織である。 そして、地球の治安は、世界各国の警察組織を統合させた「最強の軍隊」ともなる一大組織が軍警察である。 ただ、その管轄や捜査等の「小競り合い」や「縄張り意識」は、あまり良いものではない。 「大方、手柄欲しさに軍警察の役人が、横槍でも入れようとしたんだろうな?あーヤダヤダ!仲良く出来んもんかねぇ…」 「まったくだ…で、逃げる算段は?」 「その前に、偽札の原版は?」 そう空が言うと、捜査官は自身の右目を指差した。 「原版自体は無いが、原版の設計図はココにある」 「…ナルホド。義眼ね」 .
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