終章

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「ねぇ…総司。大好き…だよ。」 「そんなの知ってますよ!僕だって…。」 「でも…私のことは……忘れて…。 君は……先を…生きて。」 なんで、そんなことを言いながら笑うの? 柔らかく微笑みながら、目を閉じる桜。 「なんで、今…。笑うんですか? 今まで無表情だったくせに!」 そんな…幸せそうな顔で死なないで下さいよ。 「っ!ゴホッ!ゴホッ!」 突然、胸が苦しくなって咳が止まらなくなる。 「ゴホッ!ゴホッ!ガハッ!」 口元を覆っていた手に広がるの、赤。 吐血ですか…。 目の前が真っ暗になる。 僕は、桜を抱いたまま意識を失った。
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