終章

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「やはり、吉田はやってきましたね。」 「天子様を連れ去るなんてさせるわけにはいかねえ。」 山南さんと土方さんが静まり返った広間で口を開く。 動ける隊士は、少ない。 皆、暑さで倒れてる。 こんな中、動くのは無謀だと思う。 そんな、自分の考えに思わず苦笑いが漏れる。 桜に死んで欲しくないだけだろう。 「会合の場所は、池田屋か四国屋だと思われる!四国屋が本命の可能性が高い。トシの隊は、四国屋に向かい、俺の隊は、池田屋へ向かう!」 「振り分けを言うぞ。」 土方さんが喋ってる声よりも、池田屋と四国屋という桜の言葉が頭に響く。 「つ!」 なんて、とんでもない我が儘を言ってくれるんですか、桜。 会合場所を告げるなんて、殺して下さいって事でしょう? 桜は、僕に自分を殺してくれって言ったんだ。 なら、最初で最後のあなたのお願い叶えますよ。 僕は、近藤さんとともに池田屋へ向かう。 なぜだか、分からないけど桜は池田屋に居るような気がした。
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