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差し出したアメを食べてくれれば嬉しくてつい微笑んでしまう。
彼はアメが美味しかったのかにこにこと笑っていた
その顔を見て自分の顔がだんだん熱くなるのが分かった
…なんてキレイな笑顔なんだろう…
そんなことを思っていると彼は俺に熱でもあると思ったのか額を合わせてきた
心配そうに眉を下げながら大丈夫ですか?と聞いてくる彼。
こくこくと頷いていると彼にくすくすと笑われていた。
俺はさらに顔が熱くなるのを感じながら彼が様々な人を虜にしているのは本当できっとこの笑顔にやられたんだな…と思っていた
するとそこへ綾斗が来て俺に、なに恋人とイチャイチャしてるのと言ってくる
彼は綾斗に僕たちは付き合っていない、恋人ではないという
本当のことだが胸の奥がチクリと痛む
……チャイムが鳴り彼は教室に戻っていってしまった。
彼の笑顔を綾斗に見られた…と思いながらちらりと綾斗をみる
綾斗はにこにこと新しいおもちゃを見つけた子供のような瞳をしながら彼が出て行った扉を見ていた
あぁ…彼は笑顔一つでどんな人も虜にしてしまうんだな…
……この時の俺はまだ気づいていない。彼の虜になる人は彼の笑顔“だけ”にやられたのではない…と…
~瀬戸 光 side end~
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