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「イテッ」
「おーくら。起きろ」
「……」
一年の教室で授業をしていた横山は、いつも堂々と居眠りしている大倉の形の良い後頭部を名簿で軽く叩いた。
「お前デカイから目立つねん」
大倉は眠そうな顔で横山をじっと睨み、ボソッと「体罰」と呟く。
「なんて?」
「……なんでもないです」
「目ぇ覚めたか?59ページから読んで」
「……」
「どうした?具合でも悪いんか?」
「横山先生」
「なんや?」
大倉はすっと立ち上がって横山を少し上から見下ろし、無駄に男前な表情で言い放った。
「お腹減った」
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