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狭い室内で、2人は遊びを覚えたての子猫のようにごろごろと絡まり合っていた。
上になったり下になったりしながら、お互いの唇を奪い合い、身体を弄り合う。
「…っ」
「すばる君…」
「んっ…んぅ」
「すばる君、声、我慢せんでええよ?」
「誰か、来たら…、ヤバいやろ」
「誰もこうへんよ」
「!」
丸山が自分の尻を急に撫でたので、渋谷は一瞬体を強張らせた。
「すばる君」
「なんや」
「さっき亮ちゃんに“人間やめろ”って言われてん。その後よう考えて、そうやなって思えてきて」
「うん?」
「俺、人間やめて、野生の雄になりたい」
丸山はただ真っ直ぐに、渋谷を見つめた。
怯えたような表情をする渋谷の反応を待っていた。
「マル…俺も。人間やめる___て、わっ!」
丸山は渋谷の言葉を最後まで聞き終わる前に、その細い体を抱きすくめていた。渋谷は微笑みながら丸山の後頭部をくしゃっと撫で、耳元でそっと囁く。
「ホンマは、ずっとずっと、したかってん。マルと、したかってん」
「すばる君、俺、嬉しすぎてもうイキそうっ」
「あかん!耐えろマル!」
「ガンバります…」
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