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「よう、泣いたな」
「…」
「痛かった?」
「……でっかいウンコするぐらいや思てた俺が間違ってた」
「ウンコちゃうよ~」
「……良かった。」
「え?」
「俺、今日良かった。どれだけお前が俺に本気なのかって、わかったから。汗、ダラッダラかいて、必死やったもんな。汗は嘘つかへん」
丸山は自分に背を向ける痩せた肩に手を乗せてこっちを向かせ、涙の乾きかけた涙袋に触れる。
「せっかく綺麗な目やのに、腫れてまうなぁ」
「一生分、泣いた気ぃするわ」
「なら、これからは楽しいことしかないわけやな」
「マル」
キスをせがむ渋谷に、とろけそうな笑顔で丸山は優しく応えた。
「すばる君…「今日は終いや!しばらくせえへん!」
「そんなぁ~」
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