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「よこちょおぉ~!」
1年前の淡い記憶に思いをはせていた横山を現実に戻したのは、安田の気が抜けた高い声だった。珍しく血相を変えた安田は職員室に入るなり、横山のもとへ小走りでやってくる。
「ヤス?どないしたんや」
「なんっも言わずにとりあえず来てくれへんかぁ?」
引っ張られるように学生寮に着いた横山だったが、安田に連れてこられたのは何故か大倉の部屋。
(なんで?)
不可解に思ったものの促されるまま部屋に入れば、更に不可解な状況が待ち受けていた。
部屋にいたのは大倉ではなく、正座をした丸山だった。
「なんでっ!?」
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