悪魔が僕を

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* 「ホラ、マル、ちゃんとよこちょに説明せんと!」 「うん…」 目が泳ぎっぱなしの丸山。その丸山を鼓舞する安田。2人を目の前にして困惑する横山。 「ごめん、ヤス。俺、状況がぜんっぜん、掴めへんねんけど…」 「よこちょは黙ってて!」 横山が安田の語気に圧倒されるが早いか、丸山が額が擦り切れんばかりに土下座をして叫んだ。 「ゆうちん、ゴメンナサイ!俺、学校辞めます!」 「え?ちょ、なんの話?」 安田は丸山の身体を起こしながら、重い口を開いた。 「よこちょ、マルがしぶやんと付き合ってたの知ってた?」 「え?___ん、まぁ、そうなんちゃうかなとは思ってたけど…」 (バレバレや、俺には) 「生徒で知ってんのは俺ぐらいやってん。でも、こないだ他の生徒にバレたらしくて。めっちゃすごい勢いで拡散されとるから、PTAマルちゃん血祭りや、思て。」 「ヤス、マルちゃん血祭りはなんかちゃう。おもろいお祭りみたいになってるやん。____オイ、マル。すばるはなんて言うてんねん」 横山が丸山に視線を向けると、丸山はぎこちない字で書かれた退職願が握りしめていた。 「“しゃーない”、言うてはります」 「…」 「“俺とお前のどっちか辞めなアカンな”て、言うてはりました。…すばる君は、すばる君だけは!____傷つけたくない。俺が、俺が辞める!」 「マル!」 横山は退職願を取り上げた。 「これは俺が預かっとく。お前は勝手に動くな。ええな!」 横山は安田に“少し時間をくれ”とだけ告げて、丸山と一緒に部屋を出た。
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