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日が沈んだ職員室は、横山と村上しかいなかった。
結果報告に来たはずの村上は、直立不動のまま下を向いて一言も話さない。
「なんか、食いに行こか」
横山は座ったまま、村上の表情を覗きこむように見上げると、村上はますます顔を伏せる。
「泣かんでええて。お前は頑張ったて」
横山は村上の頬に静かに涙がつたうのを見て頭をぽんと叩き、机に引っかけていた車の鍵を取った。
「お好み焼き、食いに行かへん?」
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