星ふたつ

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「え、ちょっと待って。ちゅーことは…」 「今のんが初めてや」 「なんか、ゴメン。ちゃんとしたかったか」 「ちゃんとて何?」 「ろまんちく…」 「…」 「噛んだて、つっこんでくれよ」 「イヤ。ええで。今のんはセーフ」 「おお」 「俺、先生としたかっただけやから、場所とか関係ない。ぜんぜん、ええよ」 「オイ」 「ハイ」 「初めて言うけど…」 「うん」 「お前が好きや」 「はぁっ?」 「入学した時から。まっすぐで、可愛いなて、思ってた。2年に上がる時、おたくが文系選んでくれて、ホッとしたわ。これで3年間ヒナの担任になれるわて」 「なんで?担任て勝手に決められるん?」 「基本は文系と理系に分けた後で成績順に並べんねやんか。それから仲悪い奴とか、一緒にすると不味そうなん分けて。あとは、おたくが分けられたクラスを俺がぱって地固めして、担任になってんねん。ヒャヒャヒャ!」 「コッスイ!」 「ええやんけ」 「キッショ!」 「何とでも言え。おたくが卒業するまで待つつもりやったんに、面談の時あんなこと言うから、気持ち、むちゃくちゃにされたわ!」 「じゃあ、なんで面談の時OKしてくれなかったん?」 「色々問題あるやろ!言いたないけど、マルとすばるみたいになってしまう可能性高いねんで?おたく、俺と付き合うなんてなったら、絶対隠せへん。すっげぇ顔に出る」 「う。」 「そうやろ?だから卒業するまで待と思てたんや」 「じゃあ、なんで今?」 「…」 「なんで?」 「引くなよ」 「引かへん」 「可愛かったから」 「へ」 「可愛かったからや!」 「…ありがとぉ」 「お礼言うんやめて!余計恥ずかしなる!」 村上は横山の言葉にふにゃふにゃと笑い、愛おしそうに、耳まで真っ赤になった横顔を見つめるのだった。
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