ミーのカー

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* 「毎度おおきに、ごっそさん!」 ラーメン屋でふたり分の会計を支払った丸山は、暖簾をくぐって外に出ながら携帯電話を確認して微笑んだ。 「誰から?」 「ヤス」 「なんて?」 「好きな人できたんやて。春やなぁ」 「ふぅん」 錦戸は憮然とした表情で握りこぶしを丸山に向けた。 「ええよ、おごるって」 「ちゃうって。マルが持っとったほうがええと思う」 錦戸は握っていたボタンを丸山の掌に落とした。 「亮ちゃん…」 「何やねん」 「俺、世界で一番すばる君が大事やけど、顔は亮ちゃんがタイプやで」 「おま!…ホンマに人間やめろっ!!」 錦戸は照れているのか怒っているのか、顔を真っ赤にして丸山を罵倒した。
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