あーうー

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お正月のセールも落ち着いた金曜日、おれは西さんに連絡を入れた。 今日ひまですか? 良かったらご飯いきません? しばらくしてメールが返ってくる。 ぜひ! それから時間や待ち合わせ場所を相談して、結局、西さんの家でDVDを観ながらゆっくり過ごそうということになった。 じゃあ仕事が終わったら連絡します。 お互いに仕事が終わってから駅で待ち合わせをすることになった。 西さんとは、正月以来会っていない。 なんだかすごく久しぶりな気もするし、会うことに少しドキドキしている自分もいる。 まだ、彼と恋人になったという実感はない。 なんというか、友達としての感覚もあるし、けれどもあの夜のことを考えると、恥ずかしくもある。 今日も、キスしたりするのだろうか。 そんなことを考えて、おれは一人赤面する。 こんな感覚いつ以来だろう。 男同士ということに対する戸惑いもあるし、それでもおれのことを好きだと言ってくれる西さんに対し、今までとは違った好意を抱いている自分もいる。 時間を確認すると、そろそろ休憩が終わるころだったので、休憩が終わる前にタバコを1本吸っておこうと喫煙室に向かい、それから仕事に戻った。 仕事が終わって駅に着くと、すでに彼は待ち合わせの場所で待っていた。 「お待たせしました。待ちましたか?」 「いえ、ぼくもさっき着いたところです」 おれらはデパ地下で惣菜やお酒を買って家に向かう。 「そういえば、今日観るDVDってどんなのなんですか」 家に着き、買ってきたものをテーブルに広げつつ聞いた。 「これです」 彼はテレビの下から1本のDVDを取りだし、おれに見せてくれた。 「インポッシブル?」 「そうです。2004年のスマトラ島沖地震の津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話がもとになっていて、ぼくはすごく感動できました」 食事の準備を整え、西さんはDVDをセットしてくれた。
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