プロローグ

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 2024年の夏。超能力者【泥(クレイ)】による櫻庭夫妻の殺害。2026年に反超能力者グループにより先天能力者、浅霧潤が殺害されました。さらには相模さんの失踪。  私たちは一度絶望したのです。この世界がこんなにも異能力により壊されていくことに。一緒に戦ってくれた皆をすぐ元の世界に帰して本当によかったと思います。こんな汚れた思い出なんて必要ないじゃないですか。  私達は異能力を使い、モノクロームと戦いました。なのに、誰もそれを【正義】とは認めてはくれなかったのです。  ■ 「で、どうせだったら娯楽に使おうと思ったわけですよ高岸さん!」  いきなり上がったテンションに、高岸は驚いて後ずさった。目の前の女性はニコニコ笑顔で言葉を続ける。 「でですね! 吉川がオンラインゲームみたいなのやりたいなってほぼ完成した企画持ってきてくれたんですよ! で、オンラインゲームっぽくするようにトリストにお願いして、ついに完成アバトロイド!!! と、これが製作秘話でございます」  高岸と呼ばれた男は「……ほとんど吉川君の功績じゃねえかそれ」とぼやくと、赤い長い髪にマフラーを巻いた女性は「そうかもー」と返した。
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