プロローグ

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「……ねえ、最近変わったこととかない?」  団長の問いかけに、三人は「変わったこと?」と声を揃えた。団長は「ないならないでいいんだけど」と笑う。 「あー。そうそう、ラリアがハッキングしてきてね、この間」 「超重要なことじゃねーか!! なんで知らせないの!? 馬鹿なの!?」  肩をガクンガクン揺らされる相模に、櫻庭は「まあ落ち着けよ」と団長を宥めた。 「これには一応理由があってね……伝言を頼まれたんだよ」  伝言? と相模の肩を揺らすのをやめる団長に、彼は笑いながら「俺のオリジナルが見つかったかもってね」と言葉を吐く。 「相模さん、が?」 「本当は早く伝えた方が良かったんだろうけど、どうやらオリジナルの記憶がおかしくなってるみたいでさ、あまり言いたくなかったみたいだよ。だから俺に会いに来た時にって」  相模はそう言って一旦言葉を切り団長の頭を撫で、彼女に目線を合わせる。 「俺はさ、こういう時になんて言っていいかわからないけど。きっとオリジナルならちゃんと何か言ってくれるはずだから」
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