プロローグ

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 団長がその場を去った後、相模はため息を吐く。言わない方が良かったかな、と。それを聞いた櫻庭は「いや、あいつなら大丈夫だろ」と言葉を漏らした。 「本当にそうでしょうか。彼女、ここに来たくなかったんじゃ」  視線を下に向ける優依に、相模が「優依ちゃんもそう思う?」と問いかけた。彼女はただ浮かない顔をして俯いているばかり。 「……本来なら、オリジナルの私たちならどうやって慰めてたんでしょう」 「相模以外死んでるんだ、考えるだけ無駄だろ」  大和さんは冷たすぎます、という言葉は消えるようにかけられる。櫻庭は「そうかもな」と返すだけだった。
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