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ここ最近、うちの近辺を不審者がうろついているという話をよく部下たちから聞く。うちもだいぶ有名になったようで、外国からのユーザーも増えたか、いろいろ情報が出回ったか。
地下へ下りる階段をゆっくりと時間をかけて降りていく。ここに入ることができるのはGMC社創設時からいる私を含めた四人だけ――そのはずだった。
がたん、とその扉の奥から物音がする。誰かいる――。そう理解した途端、私の呼吸は唐突に荒くなった。
重い鉄の扉に手をかけ、一気に開く。
「だ、団長? どうしたんです? そんな怖い顔して……」
黄色い髪に同色の目を持つ背の高い男はそういってへらりと笑顔を見せた。その声に、表情に安堵する。
「なんだ、上野君か……最近この辺うろついてる人かと思ったよ」
私の言葉に、彼は「あはは、すみません、警戒させてしまったみたいで……」と私から視線を外し、目の前に瞳を向けた。
「トリスト、寝てるの?」
「ええ、寝てるみたいです」
「上野君はなんでここに?」
私の問いかけに、彼は「ちょっと彼と話がしたくて。でも寝ているようなので出直します」と踵を返す。
そう、と私が返すと彼は思い出したように扉を開ける手を止めた。
「そういえば――先程団長が取材を受けている時にクロードが来てましたよ。まだエントランスにいると思います」
その言葉に「えっ!?」と自分でも驚くくらい大きな声が出た。慌てて腕時計を見る。取材が終わったのは11時。現在は13時だ。もし待ってたとしたら2時間ほど無駄に待たせている。
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