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聞こえなかったフリして、
この場を去ってしまおうか。
後ろに、一歩足をひこうとした。
けれど、
振り返った社長の、
少しはにかんだ顔…
思わず『かわいい』なんて思ってしまった瞬間、
「…社長はありのままでいいと思います…」
私の口から出た言葉が、
私の耳に届いた。
同時に、
当然社長の耳にも届いたのだろう…
再びパソコンに向かっていた社長の後頭部が…紅い…
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