第18話

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時計の針音が遅い。 床を叩く靴の音が遅い。 何もかもが遅い。 私が時間の中に取り残されたようだ。 遅い時間。 流れの中に取り残された私。 違う。 時間を置いて私は先へ進んでしまっていた。 進んだのは私。 取り残したのは時間。 長い。 とにかく長い。 一秒が何秒にも感じる。 一秒が何分になったのだろう。 とにかく長い。 気が狂いそうだ。 そして私は突き立てる。 自分にナイフを。 自分の時計を止めるかのように。 あぁこれで。 私の時間は止まった。
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