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『・・・馬鹿な・・・っ!?』。
『我らが神、銀狼の魂はこやつに宿った。すなわち、我らを統べる人間こそが巳稀なのだ』
『このファンキーガールが・・・俺達の・・・っ!!』
(えっ、なんか凄い話してるんだけどォォォ!?"ギアマンテ・フェンリル"って海を凍らせて大陸を作ったって言われてる狼の神様でしょ!?それが巳稀さんってどういう事!?狼の魔物の頂点に立つ人間!?くぅそぉ、話したいよぉ、"大地の王狼"様とも人狼ともぉ!!)
環は獣間のみで行われるやり取りを聞き驚愕していた。どういう事か聞きたいが抑圧で声が出せない。動物や魔物の会話を聞ける彼女は魔物についてもよく分かり、また調べている。故に、この会話がとんでもないという事がわかる。
そう、環だからこそ分かるのである・・・つまり──
【グルルルゥゥゥ、ウワゥ!!】
【ガルルル、アォオン】
【ガフッ、グルゥア】
【ワウワウ、ウワオォォ!!】
──普通の者にはこう聞こえている。
「シュールね」
「ここはドッグハウスか何かですか?」
「ヴォルナート君は言うこと聞かないんです、プライド高くてちんちん絶対しようとしないんです!!もうどうしたらいいのか・・・」
「私のバーナードはいつでもちんちんよ、立ってるから」
「なんか卑猥ですね、というか何時まで話してるんだこの狼共は?」
ヴァロライナも秋平も可愛らしくシュールな光景に呆れてしまう。仮にも狼の王と人狼がワウワウガウガウしているのがおかしいからだ。
そして、その狼会談は唐突に終わりを迎えた。
【環よ、今の会話は他言無用だ・・・よいな?破った時は、ドロドロにしてやろう】
「大地の王狼よ、生徒に危害を加えれば雀宮は学園に居られない。それが規則、基本だ」
【なぁに、環はよい者だ女教師よ。そこまで愚かではなかろう】
環はドロドロにされると聞き"嬉しそうに
"首を縦に振る。ヴォルナートに話掛けられたのが嬉しかったのだ。
そして、ヴォルナートは再びバーナードに向き合い言う。
【嬉しく思うぞ、バーナード。お前にも、助けたいと思う者が出来た事・・・そして、そのプライドの基私に歯向かう覚悟を持ち得た事に!!】
"戦おうと"。
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