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「は!?」
声がひっくり返るのも無理はないだろう。
いったいこの男は、何を言っているんだろうと本気で思う。
思いきり眉を寄せた私にも、佐川は動じなかった。
「ヒマなんだろう? だったら断らない方がいい」
「あなた……何を言ってるの?」
佐川の提案はめちゃくちゃだ。
仕事の発注を行うのは、鳳凰堂の方。
それを受けて動くのが、+Dをはじめとする制作会社だろう。
なのに、私がこの男の仕事を受ける……!?
「意味がわからないわ。+Dが鳳凰堂に仕事を発注するっていうの? 立場が逆じゃない」
「いいや? 個人的な仕事だよ。ある意味奉仕に近いな」
「奉仕ですって? 仕事じゃないじゃない。そんなものを……どうして私が」
無報酬で動ける人間を探しているのなら、お断りだ。
そんなの仕事じゃない。ボランティアよ。絶対に嫌。
こんな状況でも私は、鳳凰堂の御園京香としての自分を壊したくなかった。
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