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「……ふー……」
大きく息を吐き出しながら、仰向けに倒れ込んだのは、自室のベッドだ。
普段ならこんな風に、外に出ていたままの格好で寝転ぶなんて、絶対しない。
けれど今日はもう、この柔らかな波に体を委ねてしまいたかった。
幸い、父にも母にも見つからずに部屋まで戻れた。
もしばったり出くわしていたりなんかしたら、きっと咎められるに違いなかった。
……当然ね。
私だって思っているもの。
足に来るまで飲むだなんて、馬鹿らしい。って。
それに……男の前で酔い潰れるだなんて、みっともないことこの上ないわ。
……ああ、でも。
あの男は別かしら。
もう、すでに知られているんだもの。
外面を取り繕う必要さえない。
好かれようと努力しなくていい。
私にとっては、希有な相手、ね。
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