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ふん、と息を吐いて座り直した私に、佐川は思いもよらない返事をしてきた。
「さあ? それはお嬢さん次第だな」
「なっ……!?」
思わず絶句した。
本当に、いったい何を考えているんだろう、この男は。
メリットのない仕事、それも報酬のない奉仕だなんて、誰が受けると言うんだろう。
内容も何もわからないままに承諾する間抜けがどこにいると?
馬鹿げているわ。もうたくさん。
どうせまた、この男のいつもの言葉遊びの一環なのよ。
ても……それより、何より。
心の中がこれまで以上に騒がしくなるのは。
『チャンス』だなんて言われて食いついてしまった自分が情けないからよ。
浅はか過ぎて悔しくて、涙が出そう。
こんな男に頼るなんて、死んでも嫌だと思っていたはずなのに。
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