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[傷]
「従者さん!血が出てるッスよっ」
蒼色にそう指摘され満月は自分の腕を見る。
「ほんとだw」
ぱっくりと切れたそこから赤い鮮血が流れていた。
「笑い事じゃないッスよー!手当てしましょうか?」
「んー…いいヨww痛くないし、」
自分を心配してくれる蒼色に微笑み、その傷を舐める。
どこでやっちゃったんだろ…。
数分前の事を思い出すが、全然わからない。
「ぐる、」
「え?ほんと?」
満月が考えていると横から獅子が石で切ったことを教えてくれた。
そういえば今日の日向ぼっこ場所、石が多かったな…。
「えいっ」
「?」
ツーンと鼻にくる臭い…。
「薬草…?」
「はいッス!」
満面の笑顔で笑う蒼色に、
「ありがと」
満月もつられて笑った。
end.
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