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[狼王ロボ]
――――――――
あるところにとても頭の良い狼がいました。
その狼はロボと呼ばれ家畜を襲い、人間達を困らせます。
人間達はなんとかロボを捕まえようと罠を仕掛けますが、ロボは罠さえも見抜いてしまうのです。
困り果てた人間達は一人の学者に助けを求めました。
生き物の生態を調べている者なら、きっと捕まえることができるだろうと考えたのです。
しかし、やはりロボは捕まえることができません。
何日かした後、学者はロボの弱点をついに見つけたのです。
それはロボの伴侶です。
学者はロボではなく、伴侶を捕まえることにしました。その伴侶は罠に捕らえられ、殺されました。
学者の詠みどおり、大事な伴侶を失ってしまったことで、ロボは我を忘れてしまい、難なくして罠に掛かりました。
そして捕らえられたロボは……。
―――――――
「狼王ロボ、ですか…?」
日陰で本を読んでいた満月は頭上からの声に顔を上げた。
「やぁ、コトノハ…しってるのかい?」
「いえ…題名だけ、聞いたことがあったので…」
「じゃあ貸してあげるヨ、はい」
満月は本を閉じてコトノハに渡し、立ち上がる。
「満月さんって本、読むんですね…意外です」
「酷いナーw結構読むよ?」
「見た目とのギャップが…」
「wwww」
服についた葉を払って城へ足を向ける満月。
「いい話だから、読んでね?」
「ありがとうございます」
コトノハは渡された本を見つめ、
「おかしな人だな…」
と小さく呟いた。
end.
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