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[ブルーベリーカップケーキ]
「やぁ、狂森。何を食べているんだい?」
「満月様…!!麻婆豆腐です」
テーブルの上には燃えるような赤をした麻婆豆腐が入った皿がひとつ。
「か、辛そうだネ」
「普通ですよ。食べますか?」
「俺ちゃん辛いの苦手なんだ。甘口ならギリギリ食べれるけど」
豆板醤の刺激的な香りが満月の鼻を刺激し、満月はうっすらと目に涙を浮かばせた。
「代わりにコレをあげるよw」
ふわりと香る甘い香り。
「カップケーキ?」
「ブルーベリーが練り込んであるんだヨ」
皿の隣に二個ほど並べて置く。
「美味しいから食べてね」
そう言って自分用のカップケーキにかぷっと食い付いた。
ブルーベリーのほのかな酸味があとを引く。
「幸せそうに食べますね」
「そう?まぁ、幸せなのかもネ」
もっもっと口を動かし、飲み込むと、満月は狂森に手を振ってその場を後にした。
「折角だから他の子にもあげよー」
end.
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