50/51

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
[ブルーベリーカップケーキ] 「やぁ、狂森。何を食べているんだい?」 「満月様…!!麻婆豆腐です」 テーブルの上には燃えるような赤をした麻婆豆腐が入った皿がひとつ。 「か、辛そうだネ」 「普通ですよ。食べますか?」 「俺ちゃん辛いの苦手なんだ。甘口ならギリギリ食べれるけど」 豆板醤の刺激的な香りが満月の鼻を刺激し、満月はうっすらと目に涙を浮かばせた。 「代わりにコレをあげるよw」 ふわりと香る甘い香り。 「カップケーキ?」 「ブルーベリーが練り込んであるんだヨ」 皿の隣に二個ほど並べて置く。 「美味しいから食べてね」 そう言って自分用のカップケーキにかぷっと食い付いた。 ブルーベリーのほのかな酸味があとを引く。 「幸せそうに食べますね」 「そう?まぁ、幸せなのかもネ」 もっもっと口を動かし、飲み込むと、満月は狂森に手を振ってその場を後にした。 「折角だから他の子にもあげよー」 end.
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加