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[満月がボコボコにされる話]
流血・モブ
「キミ達でしょ?最近タラゼド中を嗅ぎ回ってる輩って」
満月は何時ものようにシモベ達からの情報で不穏な動きをする輩を取り締まろうと、タラゼドの離れにある森を訪れていた。
今回は数が多いと予め聞いていたが、その通りで、数十人の柄の悪い男がそこに集まっている。その中のリーダーであろう男が満月を見てニタリと笑う。
「アンタは…あぁ、そうか。アンタが猛獣使いの兄ちゃんか…」
「俺ちゃんのこと知ってるの?光栄だネ」
「聞いてたからな」
「?」
どうも引っかかる言い方をする男に満月は首をかしげた。
「聞いてた?俺様、柄の悪い知り合いは居ないんだケド」
「結構有名だからなぁ、アンタ。あの若僧の従者なんだって?」
ピクリ、と満月が動く。
「若僧て王のこと、でいいのかな…?」
自分が従っている王の事を小馬鹿にしたように言う男に満月は影を作り、睨んだ。
「そう殺気立てんな。お前も十分若僧だ」
「………」
クックッと笑う男。
「…俺達は実のところ、アンタに用があんだ。一緒に来てもらう」
「やだヨ。知らない人にはついていくなって教わっているからネ」
「ぶはっ!実の親に売られた餓鬼が何をほざきやがる」
「…!!?!」
男の言葉は満月を行動に移させるのに十分すぎた。
一瞬のうちに男の周りが赤い飛沫を上げて舞う。
「おぉ~こぇこぇ」
そんな中でも怖じけず、寧ろ楽しんでいる男。
「お前が俺の過去をどうして知ってるの…?」
「だから言ったろ?"聞いてた"ってよッ」
「!!」
鋭い太刀筋が満月の脹ら脛を貫いた。
勢い良く溢れる赤。
しかし、満月には関係無い。
脹ら脛に突き刺さった刀の刃を握り、男が刃を抜いて逃れないようにし、抓を突き付けた。
「へぇ、」
男は刀を離し、満月の攻撃を避ける。
「痛くねぇの?普通だったら痛みで転げ回ってるだろうぜ」
「俺、痛みを感じないからね」
「化け物かよ」
満月は脹ら脛に刺さった刀を抜き取りその場に落とす。
脹ら脛からは赤が止めどなく溢れ、地にシミを作った。
「でもアンタに来てもらわないと俺が困るんだ。だから…」
「!!」
地からシュルシュルと触手のようなモノがのびてきて満月の身体に巻き付いた。
「強制連行、な…?」
end…?
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