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[声] 物心ついた頃既に多くの声が聞こえていた。 とても小さな虫から大きな動物までの声が一気に入ってくる。 その中で強く聞こえる、 『満月』 心地好い声。 金色に輝く瞳に吸い込まれるように手を伸ばす。 「王、」 かつての主だった声に、すがり付く。 「あぁ…!!王、なぜ、何故…」 -俺を助けたんですか、- 酷く続く虚無感。 あの時何故殺してくれなかった…。 どうして、俺じゃなくて貴方が…!! 『生きろ』 声が聞こえる。 心地好い声が…。 「満月」 end.
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