第2話

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羽山は落ち着いていて 身のこなしも綺麗で 表情を崩す事は無くて 人を寄せ付けない そういう人。 「先輩って、恋人に素を見せた事ないでしょ?」 そして私の性格を露わにして行く。 「……それがイエスなら今度は何なの?」 その問いに羽山は薄く笑った。 「羽山も人に素見せないでしょ」 「……」 「パーソナルスペースは広くて、自分のペースを乱されるのは嫌な人でしょ?」 ふっと小さな笑いが隣から零れた。 「先輩の見立てだとそれはどんな人物ですか?」 「……人の事を信用してない人」 「………」 「それから、臆病な人」 「…………」 羽山の表情が一瞬固まった様に見えた。 私から視線を外した羽山は小さく吐息を漏らした。 「先輩は、初見さんとかナシですか?」 「え?」 「恋愛対象として」 「無いね」 「言い切りますね」 「だって結構酷いんだよ?元々付き合う気が無いから一夜限りの付き合いばっかり。 さすがにナシでしょ?」 「……そうですか」 「もしかして、羽山もそうだったりする?」 それは話の流れだった。 別段興味があったわけじゃないし、否定されると思ってたから何気なく口から出ていた。 「そうですね」
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