第2話

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小川が新しい部署の話をして、私と羽山は聞くだけ。 「なんか2人って良く似てますよね?雰囲気とか」 「……そう?」 「落ち着いている感じとか俺の扱いとか」 小川がそう言った時、テーブルの上の携帯が鳴った。 「あ、すいません」 席を立ち、足早に店の外へ出る。 「…………」 2人きりになった途端続く沈黙。 そうか、小川が話してないと会話って無いんだ。 小川の席のビールジョッキの無くなりつつある泡を見つめた。 「呼び出しですかね」 あ、羽山がしゃべった。 「そうなの?」 「たまに同期で飲み会行くんですけど、ああやって電話がかかって来て抜ける事あります」 「彼女?」 羽山に問い掛けると、ふっと鼻で笑い「まさか」と言った。 「上司ですよ。嶋野さんとか、今なら園田部長とか。 見るからに声かけられやすそうじゃないですか?」 「確かに」 ジョッキを持った羽山の手の甲にくっきりとした筋が出た。 手、綺麗だな。 「なんか、小川がいなくなるとこの座り位置微妙だね」 「そうですね」 「どう?第一営業部」 「まぁ、噂通り」 「大変?」 そう聞くと羽山は少しだけ口角を上げて見せた。 なんだ、そういう顔もするんだ。
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