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「潔癖かな……」
「もしかして、自覚無いんですか?」
「…………」
反応の薄い私を見て羽山はテーブルに腕を乗せ、前屈みになった。
「他人と鍋をつつくのは嫌だ」
「…………」
「焼き鳥を串からほぐしてシェアするなんてあり得ない」
「…………」
「人の握ったおにぎりなんてもっての他」
「…………」
小川の残していったビールの泡は既に消え去っていた。
「どうですか?
全部答えはイエスじゃありませんか?」
全部分かった様な表情で、主導権を取ったみたいな余裕さで、私の目を逸らさずに見ている。
「イエスだったら潔癖なの?」
「……まぁ、そうでしょうね」
「…………」
「無自覚ですか?」
「…………」
私は黙ったままビールを飲み干した。それを見て羽山は焼き鳥を口にした。
「同じニオイがします」
暫く無言だった私を見て羽山が言った。
「羽山も?」
「宴会とか大皿料理は苦手だし、大体人が食べてる姿とかあんまり見たく無いんです」
「…………」
私はサラダを食べていた箸を止めた。
「あ、すいません。別に気にしないで下さい。同じタイプの人は気にならないんで」
食べ終えた焼き鳥の串をから入れに入れながらそう言った。
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